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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2008年05月17日

消えた船頭…

満開の桜の下
「海坂の桜小祭り」の晴天の日、市内を流れる「内川舟下り」を初体験した。




指定された乗り場で待っていると
水深が浅く、
下流から、船頭がその古い和舟を傍らまで引っ張ってきた。




乗り込んでみると
古すぎて、あちこち水が染み込んで結構貯まっている。

船着場に着くや早々、
助手のアンチャンとふたり、バケツでその貯まった水をパケツで汲み上げている。

今回の乗船は、老若男女一行9名。

乗り込むと
細い、ボロい和舟は、大きくユラユラと横に揺れる。

ぎゃあ!びぇ~、おっかねえごどぉぉぉ!
嫌んだオラッ、嫌んだオラァァァ…

すぐ後ろのばばちゃんが、何度も大きな叫び声を上げる。

どうにか舟に乗り込んでも
沈まねがッ!沈まねがッ!
と、ひとり大声で奇声を発している。

その声を聞きながら、みんなニヤニヤ笑っている。

だって、引っ張ってきた身長160センチ位の船頭オヤジの
どうみても膝くらいまでしか、ここの水深はないのだ。

仮に、沈んでもすぐ立てば歩ける。
溺れたくても、どうにも溺れようがない。

全員が乗り込んで
舟はようよう川の中央部へ。

船首は、まだ上流に向いたままだ。

いよいよ、舟下りの出発…か、

そう思った瞬間、
突然、胴長を履いた船頭オヤジが舟から降りた。

全員、んー?

ちょっとションベしてくるッ!

そう言うのと同時に、川の中をバシャバシャ、
乗り場の傍らにある公衆便所へと向かって行った。

みんな呆気にとられてみていたが、すぐに大爆笑の渦…。

後ろの方で、
標準語で話す若い女性(庄内弁で騒ぐばばちゃんの孫?)も大笑いして

これだから、田舎はのどかでいいわぁ
可笑しい、おもしろい!と拍手喝采の喜びよう…。

大なのか小なのか、
ゴムの胴長の脱着に時間がかかるのか
船頭はまだトイレから戻って来ない。

その時、少し強い風が吹き始めた。

舟は、いくら浅い水深とはいえ、確実に水面に浮いている。

スーッと、ユラユラと舟が動き出し、船首が回転して下流に向いた。

船頭はいない。

古い和舟は、
船頭のいないまま、
ゆっくり静かに、そして確実に下流へと流れ始めた。

みんな、オーッと、どよめく。
笑い声と歓声と、拍手…の渦。

流れでるうぅぅぅ、どうすんなやッ、どうすんなやッ!

後ろのばばちゃんの本気の叫び声が、晴天の満開の桜の木の下に響く。

みんなまた大笑いだ。




舟が向きを回転させ
少し進んだ頃、船頭が何事もないかのように戻ってきて、船に乗り込んだ。

またもや大爆笑だ。





舟はいくつかの橋をくぐり抜け、
見つけた岸の人々が手を振る。

われわれも観光客気分で、それに手を振って応える。




桜風情あり、笑いありと、楽しい桜日和の1日だった。  


Posted by エゾリス at 18:00Comments(6)祭りな話